まず最初に、「病院機能評価」とは何かを説明しておきます。
病院機能評価とは、日本医療機能評価機構が第三者的立場から、病院の地域での役割、診療の充実度、安全の確保、患者サービス、病院運営などについて聴き取り調査を含めてきめ細かくチェック、これらが一定のレベルを超えていると「認定」のお墨付きが与えられます。これは病院をランク付けするものではありませんが、この審査に通れば一定水準以上の病院と評価されます。
2005年8月現在で、日本の全病院9200余りのうち、1371病院、約15%が認定を受けています。
しかし、受審するとなると、まずは院内の意思統一を図り、気持ちのベクトルを合わせること、加えて予算の計上などクリアしなければならないことが多くありました。
院長と相談したところ「試験勉強と一緒やから長引かせても一緒。早いうちに決めよう」ということで2003年8月、早速説明会に出席しました。説明会の雰囲気を肌で感じ、「他の病院に負けてはいられないゾ」というファイトが出てきました。
正式に病院として申し込み、審査日は2004年1月12〜14日の3日間に決定しました。
いよいよ開始です。院内のプロジェクトチーム(以下チーム)は、2003年4月からスタートしていたので、ワークの期間としては、約8ヶ月ということになります。決して短くはありませんが、長くもないですし、各部ベストを尽くすしかありません。毎週のミーティングでは、課題の抽出、解決期限の設定、経過検証などの繰り返し。書類が膨大で、一体どこまで作ればいいのやら。
受審日当日は、病院の隅々まで、それはそれは綺麗に清掃し、来客をもてなす体制で挑みました。日頃の接遇教育の成果を見せんとして、全員張り切ってお出迎えしました。会場となる会議室の一方には、全員の汗の結晶の資料がずらりと並び、あたかも開かれるのを待っているような具合で審査が始まりました。
全体ヒアリングから個別訪問審査まで、長い3日間が始まりました。
バタバタしたところもありましたが、終了の日、サーベイヤーからは「いいところもたくさんあったが、緒についたところもあり、今後の病院発展に期待する」という総評をいただきました。
受審結果は2004年5月に届きました。
一発合格とはいかず、8項目の改善要望事項があげられました。
改善要望事項をクリアするため、建物の一部に手をつけたものもあります。職員に対しては"敷地内禁煙″としました。喫煙者にとってはとても辛い規則になったと思います。
これらの準備をし、2005年6月に再審査を受けました。サーベイヤーからも「一生懸命努力された」という意味のコメントをいただくことができました。
再審査から2ヶ月後の8月に「認定」の通知が届き、その認定証は誇らしげに病院正面玄関に掲示しています。職員全員の努力の賜物です。
今回評価機構の認定を受けるまでの過程や準備を進める間に、この認定を受ける意味が充分理解できました。従来の病院は、当然患者本位として病院の運営を行っていますが、どこか自己の都合で動く部分もありました。しかし、今回受審してみて『本当の患者本位とは何か』『何が必要で、何が不必要なのか』を考え、あくまでも患者様が中心にいて、全ての医療従事者が情報を共有化し最善の治療医療を提供する。こんな図式を貫くことで、本当の意味で地域から信頼される病院になるということを確信しました。
それと同時に、生き生きと歓びを持って働くことができる、互いに信頼し合える職場環境がとても大切なのだということを再認識しました。毎日の笑顔や何気ない会釈など、ほんの小さな気遣いができるのも、そういう職場の雰囲気があってこそであり、決して強制されてできるものではないということです。
患者様と職員との互いの満足度を高め合うことで無限のサービスの本質に迫っていけるものと思っています。どうかこれを機会に今後のハートランドしぎさんの発展を楽しみに見守ってください。
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屋外喫煙所新設・院内禁煙
●院内喫煙所2ヶ所を閉鎖、廃止し、各々内装工事の上、外来待合所とデイケア面談室への様変わりしました。
●また、屋外に新たに喫煙所を設けました。斑鳩の町が一望できる空間で、落ち着いたひと時をお過ごしくださればと思います。
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毎月1回 検食会開催
●院長、副院長、看護部マネージャー他多数部署より参加。
●前回検食時、指摘を受けた食材「モヤシを使用した」献立を一例、及び当日の献立内容について、この場で様々な職種からの意見を収集し、患者様の高齢化、疾病構造の変化による誤嚥事故防止対策、食事提供に取り組んでおります。
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「皆様の声」BOX設置
●気付いたこと、要望など「皆様の声」をお聞かせいただいております。貴重なご意見は一つひとつソリューションセンター責任者が目を通し、掲示やお便りにてお返事させていただいております。患者様、ご家族様の気持ちをダイレクトにお伺いし、ご期待に応えられるよう日々積極的改善に努めております。
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医療機能評価の受審は、患者様のニーズに応え、より質の高い看護サービスを提供するために目指すべき目標が明確になったことと、看護の提供者として自らの役割を果たすことの重要性について再認識する機会になりました。
このことは、その場、その時に応じた最良の看護サービスを提供するために、専門職としての責務を果たすことに他なりません。他部署との連携を活かした、“癒し”のチーム医療を実践したいと考えます。
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